小学校理科の学習内容の体系的整理

 こども技研では、学校の授業の各科目を、縦割りではなく、横にまたがってふれあい学びたいと考えています。
 特に理科と算数。
 本来数学は自然科学を理解するために作られた面があるから、理科とは切ってもきれない縁があるはずです。

 世の中の広いことを「算数」「理科」等とジャンル分けして学ぶことは本来無理があって、授業の合理化や多数の生徒に対応するためになされている気がします。
 こども技研は超少人数制なので合理化も平均化も気にしなくていいから、少しでも興味を持ちやすく、少しでも深入りしやすい道を、一人ひとりに合わせながら進みたいと思います。

 学校の学びにも対応しながら、横にまたがる教科的学びをシステマティックに検討するため、以下のようなことをまとめたり考えたりしています。今回は理科で、ここから算数に繋いでいきますがそれは次回に。

小学校理科 学習内容の体系的一覧表(学習内容別)
学年\内容植物・動物の観察自然現象(光・音・力など)地学(天気・季節・地形など)水・空気・物質実験・観察・記録スキル
3年生植物の成長と条件昆虫の育ちと体のつくり音の出る仕組み電気で明かりをつける太陽の動き風やゴムの力水や空気の性質基本的な記録・スケッチ
4年生季節と生き物(年に4回)命のつながり(メダカなど)光の性質電流のはたらき季節の天気の変化月や星の動き金属の性質水の温度変化条件を変えた比較実験
5年生植物の発芽・成長・結実魚の成長と観察てこのはたらき電磁石天気の変化と雲の動き水溶液と溶け方ものの変化詳細な観察・測定
6年生生物のからだのつくりと働き人と動物のくらし水の力・てこの応用電気の利用地層・火山・地震太陽と地球燃焼の仕組み物の体積・質量実験結果の整理と考察
カテゴリの簡単な解説
カテゴリ名内容の例
植物・動物の観察成長、構造、生態、季節との関わり、生物同士の関係など
自然現象光、音、電気、力などの物理的な現象の理解
地学(天気・季節など)気温や天候、天体、地面のようす、自然環境の観察
水・空気・物質状態変化、水溶液、燃焼、質量などの化学的な性質の理解
実験・観察スキル科学的な思考力や方法、記録・比較・分析などのスキル面

さらに中学校以降の分類でまとめ直すと!

小学校理科 学習内容の体系的一覧表(物理・化学・地学・生物 別)
学年\分野物理(光・音・電気・力など)化学(水・空気・物質・変化)地学(天気・天体・地形など)生物(植物・動物・からだ)
3年生音の出る仕組み電気で明かりをつける風やゴムの力水や空気の性質太陽の動き(方角と影)植物の育ち方(条件と成長)昆虫の育ち方と観察
4年生光の反射電流のはたらき水のあたたまり方金属の性質季節の天気と気温の変化月と星の動き季節と生き物(四季の観察)命のつながり(メダカなど)
5年生てこのはたらき電磁石の仕組み水溶液とものの溶け方ものの燃え方(導入)雲の動きと天気の変化種子の発芽・成長・実のなり方魚の育ちと観察
6年生水の力のはたらき(流れ・浮力)電気の利用(発電・モーター)てこの応用燃焼の仕組み物の体積と質量の変化地層・火山・地震太陽と地球の関係人のからだのつくりと働き動物の生活と環境

補足ポイント

  • 物理分野では、「光・音・電気・力」の基本現象を体験を通して学ぶ。特に「てこ」「電気」は5〜6年で本格化。
  • 化学分野では、「水や空気の性質」から始まり、「水溶液」や「燃焼」「質量の保存」などの導入を扱う。
  • 地学分野では、「天気」「月と星」「地層・火山・地震」などを中心に、観察と記録が重視される。
  • 生物分野は毎学年で扱われ、植物や動物の成長、季節との関わり、命のつながり、人の体のつくりまで幅広く学ぶ。

小学校ではこんなに広く理科を学んでいます。しかも実験や観察は割と人気の授業だったはず。
なのに中学、高校と進むにつれて科学に興味をもつ子供が減っていくのはなぜなんだろう?

AIに「科学する小学生」を描いてもらいました。E=mc^2 って笑顔で何の実験??? 何、その怪しい色の液体!!!

 次回は小学校での算数を整理します。

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