【こども技研web写真教室】ISO感度ってなに?写真とノイズと光のひみつ

AIががんばったISO感度の説明のイラスト

💡「なんかザラザラしてる…?」

 夜や室内で写真を撮ったときに、

「なんか写真がザラザラしてる…」
「色が浅く感じる…?」

 そんなふうに思ったことはありませんか?
 これは、カメラのISO感度が関係しているかもしれません。


🔍 ISO感度ってなに?

 ISO感度は、カメラのセンサーが出す信号をどれだけ“強くする”かという設定です。

 カメラのセンサーは、レンズを通った光を受け取って、それを電気の信号に変えています。

 ISO感度を上げる、というのは、その信号をあとからブースト(増幅)するということです。

  • ISO100(低感度) → 信号の増幅が少ない → ノイズが少なく、なめらか
  • ISO3200(高感度) → 信号を大きく増幅 → ノイズが目立ちやすくなる

※「センサー自体が光に敏感になる」というより、「弱い信号を持ち上げて明るく見せている」イメージです。
※ AMラジオの音量を上げるイメージでいいと思います。ノイズも増えますよね。若い方には伝わらない例えになりましたが・・・😭

📷 ISO感度でなにが変わる?

ISO感度明るさ写り方
低い(ISO100)暗く写るなめらか・きれい・階調が豊か
高い(ISO3200)明るく写るザラザラ・ノイズが出やすい・白とび・黒つぶれしやすい・階調が浅い

💡 ダイナミックレンジって?

 ISO感度を上げると、明暗の“表現できる幅”がせまくなることがあります。
 これを「ダイナミックレンジが狭くなる」といいます。

  • 明るい部分が白く飛ぶ(白とび)
  • 暗い部分が真っ黒になる(黒つぶれ)

 つまり、ISO感度を上げると、明るさの階調や細かいニュアンスが失われやすくなるということです。

ダイナミックレンジをちょっと深掘り

 人間の目はとても暗いところから明るいものまで見ることができます。その暗い方から明るい方までの範囲をダイナミックレンジと言います。
 カメラのセンサーは人の目ほど広い範囲に対応していません。センサーの対応範囲を超えた暗い部分は真っ黒に、対応範囲を超えた明るい部分は真っ白になってしまいます。
 だから、シャッター速度や絞りを変えて、被写体の明るさに適した光の量にしてからセンサーに当てます。
 だけど、シャッター速度と絞りでも調整できないくらい光が少ないと、センサーからの信号を増幅して、あたかも光がたくさん合ったかのような信号を出すようにします。この「どこまで増幅するか」の設定がISO感度です。

 ラジオで言うと、電波が弱いと音量が小さいのでボリュームをあげますよね。するとノイズも増えます。このノイズのレベルが下の限界。ラジオはボリュームを上げるのにも限界がありますよね。これが上の限界。
 ISO感度をあげて信号を増幅すると、下の信号は大きくなりますが、上の信号は限界があります。だからISO感度をあげると、ダイナミックレンジが狭くなるのです。


🌙 たとえばこんなときにISO感度を上げて使います

  • 暗い室内や夜景を、ブレずに撮りたい
  • 運動会などの速い動きに、シャッタースピードを稼ぎたい
  • フラッシュを使わずに、自然な明るさにしたい

 そんなときに、ISO感度を上げると、シャッター速度や絞りを変えずに明るさを確保できます。


🧪 やってみよう!

  • ISO感度を「100」「800」「3200」などに変えて、同じ場所で撮ってみよう
  • 明るさの変化と、写真のザラザラ感(ノイズ)や色の出方の違いを見てみよう!

📘 まとめ

  • ISO感度は、センサーの信号をどれだけ増幅するかを決める設定
  • 上げると明るく写せるが、ノイズや階調のつぶれが起こりやすくなる
  • 絞り・シャッタースピード・ISOの3つで、明るさと写真の印象をコントロールできる!