【こども技研web写真教室】画像ファイルってなにがちがうの?RAWとJPEGとビット数のひみつ

「RAWで撮ったほうがいいって聞くけど、なんで?」

「JPEGで十分じゃないの?」

そんな疑問を持ったこと、ありませんか?

今回は、写真を記録する「画像ファイル」のしくみについて研究します。

ファイルの種類、ビット数、画質の違い、そしてその“なぜ?”まで。


📸 写真を保存するってどういうこと?

 写真は、カメラのセンサーが感じた“光の情報”を、数字に変えて記録しています。

 その記録方法が、「RAW」や「JPEG」などのファイル形式です。
 写真でよく使われるものは他に「TIFF」があります。


🧊 RAWファイルって?

 RAWとは英語で「生(なま)」という意味です。

 センサーが受け取った光の情報を、ほぼそのまま記録したデータです。

  • 加工されていない(カメラの味付けがない)
  • 後から明るさ・色・コントラストなどを細かく編集できる
  • ファイルサイズが大きい(情報量が多い)

 たとえば、料理で言えば「素材のまま保存して、後から好きな味つけができる」ようなもの。


🧁 JPEGファイルって?

 JPEGは、カメラが自動で編集・圧縮して仕上げた画像です。

  • 明るさ・色・シャープさなどをカメラが自動で調整
  • サイズが小さく、すぐに使える
  • 一度「焼き上がった画像」なので、後からの編集には弱い

 さっきの例で言えば、「カメラが調理して、もう盛りつけまで済ませた料理」ですね。


🖼 同じ写真でも、RAWとJPEGはこんなにちがう!

📷 RAWで撮っておくと…

  • 明るすぎても、暗すぎても、後から直せることが多い
  • 空のグラデーションがなめらか
  • 色の調整で破綻しにくい

📷 JPEGだと…

  • 撮ったときが完成なので、明るさや色の編集に弱い
  • 無理に直すと、ざらざらしたり、色が壊れたりする

🔢 なぜそんなにちがうの?なにがちがうの?

 RAWとJPEGの大きな違いのひとつが「bit(ビット)数」です。

 bit数が多いほど、データをたくさん持っているので、色や明るさをより細かく記録できます。

  • JPEG → 多くが 8bit(256段階)
  • RAW → 機種によって 12bit(4096段階) や 14bit(16384段階)

 この差は、明るさや色の「なめらかさ」や「編集耐性」に大きく影響します。
 想像してください。砂より、より細かい小麦粉の方が滑らかでしょう?
 この滑らかさが「グラデーションの滑らかさ」、「諧調の豊かさ」になります。

 例えば、暗い写真のデータには明るいデータが少ないのです。この写真を明るく見せる調整というのは、暗い部分のデータを明るい部分に移動させてもってくるのです。

 すると、情報が少ないデータを引き延ばすことになるので、間がスカスカになります。
 これが「階調がない」「破綻した」と言った状態です。
 jpgだと調整すると見るに耐えないけど、RAWだと調整しても気にならないというのは、ごく普通にあります。

RAWの12bitと14bitの違い

RAWで保存するとき12bitと14bitを選べるカメラがあります。
経験上、これらとJPGを比較すると、調整に強い順に、「14bit >= 12bit >>> jpg」です。
12bitと14bitの差は、私の経験では全く分かりません。ひょっとするとほとんど撮影に失敗したようなデータを無理やり補正するなら差が感じられるかもしれませんが・・・
ニコンだとRAWは圧縮、非圧縮、ロスレス圧縮の分類がありますが、これらも差を感じたことはありません。



📁 TIFFやPNGは?

  • TIFF(ティフ)=劣化しない画像保存ができる。印刷向け
  • PNG=主にWebで使われ、透過やイラスト向け。写真向きではない

 他にもRGBとかCMYKとかsRGBとかadobeRGBとか、それぞれのファイルの中にもいろいろ種類がありますが、普通に使ってると関係ないので今は省略します。


💡 どれを使えばいいの?

  • じっくり作品として仕上げたい → RAW
  • 撮ったらすぐSNSやプリントで使いたい → JPEG
  • 印刷用の最高画質データとして保存 → TIFF(現像後)

🧪 やってみよう!

  • カメラの設定で「RAW+JPEG」で同時に撮って、違いを比べてみよう!
  • RAWデータをパソコンで開いて、明るさをぐっと変えてみよう(現像ソフトが必要です。※こども技研でどうぞ!)

📘 まとめ

  • RAWは「光の情報をできるだけそのまま」記録したデータ
  • JPEGは「カメラが調理して仕上げた」画像データ
  • bit数が多いRAWは、あとから編集できる自由度が高い
  • どちらを使うかは目的しだい!

「なぜRAWがいいって言われるのか?」が、見えてきましたか?

 RAWは後から触る時間があれば何かといいファイル形式ですが、そうでない場合は、「容量が大きい」「互換性が低くて見れない環境が多い」等、いいことばかりではありません。
 ちなみに私はプライベートな写真はほぼ全てjpgです。

 写真ファイルのしくみを知ると、カメラの使い方も変わってきます。
 楽しんでくださいね!(*^^*)/

書いているひと : GENZO

 小学校理科の教科書や図鑑、ポスター等の写真を撮影しています。
 こどもや自然の、日常の一瞬を写真にすることが好きです。
 現場での撮影経験をもとに、写真の楽しさをやさしく伝えたいです。
 ブログで紹介した内容は、おためしラボで体験していただくこともできます。

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