【こども技研web写真教室】ピントが合ってないってどういうこと?ボケとピントのひみつ

AIに作ってもらった搾りと被写界深度のイラスト
仕組みを知ってると意味がわかるんですが・・・^ ^;

「あれ?ピントが合ってない…?」

 写真を撮ってみたら、なんだかぼんやりしてる

 自分ではしっかり合わせたつもりなのに、ぼやけて写ってる

 そんなこと、ありませんか?

 写真がボケるのは、「ピントが合っていない」、「被写体が早く動いている」(シャッター速度の話ででてきました)、「撮る時にカメラが動いている」(被写体が速く動くの逆ですね)等の理由があります。

 今回は、一番の基本、「ピントが合っている」とはどういうことかを見ていきましょう。


📷 ピントが合うってどういうこと?

 レンズは、レンズから“ある距離”にあるものにだけピントを合わせることができます。

 その距離がピッタリ合うと、写真がくっきり写ります。

 でも、その”ある距離”の前後にあるものは、そのぴったり合う距離から離れるにつれて、少しずつぼんやりしていきます。

 この「見た感じで、ピントが合っているように見える範囲」のことを、カメラや写真の言葉で**被写界深度(ひしゃかいしんど)**といいます。

 以後、「見た感じでピントが合っている範囲」のことを「ピントが合っている範囲」と言い換えます。


🔍 被写界深度とは?

被写界深度が深い=広い範囲にピントが合う
被写界深度が浅い=手前や背景がぼける

 つまり、「どれくらいの奥行きでピントが合っているか?」を表す言葉です。

 超シンプルな図で説明します。
 下の図で “-” がピントが合っている範囲です。


 被写界深度が浅い(絞り開放)
 [カメラ] –A– B
 ピント位置A(Aのみ合っている)


 被写界深度が深い(絞りを絞る)
 [カメラ] –A——-B–
 ピント位置AとBの中間(AもBも合っている)


 実際に写真で見てみましょう!
 最初の写真がF2.8、後の写真がF22で撮影したものです。
 ピントは前の火星探査車の顔っぽいところにあわせています。

 撮影は35mmフルサイズのLUMIX S5、レンズはLUMIXの100mmMacroレンズ、カメラのセンサーからピント面まで約77cmです。F22もピント位置はF2.8そのままで撮影しています。
 絞ると、後ろの方までピントが合っているように見える、ボケが弱くなっている、ことがよくわかりますね。

絞りを絞っても、後ろ方向にだけ被写界深度が増えるのではないので、集合写真等の奥行きがある写真を撮るときは、ピントを合わせたい中で、おおよそ真ん中の距離にある場所にピントを合わせます。


✨ なにが関係してるの?

 被写界深度は、主に3つの条件で変わります:

  1. 絞り(F値) F値が小さい → 被写界深度が浅くなる(ピントが合う範囲が狭い) F値が大きい → 深くなる(全体にピントが合いやすい)
  2. 撮る距離(被写体との距離) 近くで撮る → 浅くなる 遠くで撮る → 深くなる
  3. レンズの焦点距離(ズーム) 望遠(長いレンズ) → 浅くなる 広角(短いレンズ) → 深くなる

 覚えなくても、撮っていれば身につきますので大丈夫です。😊


💡 どうしてボケるの?

 カメラは、立体の世界を平面に写す機械です。

 だから、ピントが合う“距離”から外れると、どうしてもぼやけてしまうのです。

 これが、写真でよく見る**「ピントが合っていない」**という現象の正体です。


🧪 やってみよう!

  • 同じ場所で、F値だけを変えて撮ってみよう
  • ぬいぐるみやおもちゃを近くに置いて、距離による変化を見てみよう
  • スマホのポートレートモードでも、ボケを体験できるよ!(これはボケてない写真をボカしたように、スマホがあとから加工しています)

📘 まとめ

  • ピントが合ってないのは、被写界深度の“外”にあるから
  • 被写界深度から外れていくとボケていく
  • 絞り・距離・レンズでボケ方が変わる

 ピントをどこまで合わせるか?というのは、写真の“雰囲気”や“伝えたいもの”を選ぶための表現の一つです。

 たくさん撮って、自分の好きなスタイルを身につけてください!