研究員としての学び

研究員の学び – 自分たちの力で「観察する」「考察する」「作る」

 小学校、中学校の教科学習の内容は、理系文系問わず、研究員として必ず身につけておかなければならない基本です。
 こども技研では、国語、算数・数学、理科等の知識・能力・考え方を、実験や観察の思考や表現で身につけていきます

 基本的な考え方は、

  • 得意なことをより伸ばす
  • 苦手なことは将来困らないレベルまで底上げする
  • 学習としての予習はしない
  • 宿題は出しません

です。

予習をしない理由

 学習としての予習をしないのは、学校の授業を新鮮な気持ちで受けてもらいたいからです。
 塾でやったから授業を聞かないとか、授業中に寝ているなんて、人生の時間の無駄使いです。
 授業中は集中して、教科書を読み、先生の言葉を聞き、自分自身の力で理解する。この学校の時間を有意義に使うスタイルを覚えてほしいのです。

宿題を出さない理由

 家に帰ってからは家族の時間です。家族の時間は子供の心の成長にとってとても大切です。
 また子供の体にとって、十分な睡眠をとることも大切です。小学生なら20時、中学生でも21時には寝てほしい、朝は6時に自然に目を覚ましてほしいと思っています。
 そのために、家庭の時間を奪ってしまう「宿題」はだしません。
 ただ、子供たちが自主的に家でやりたいことがあるかもしれません。その時は見守ってあげてください。だけど、夜遅くなりそうだったら、それはまた明日にして、今は手を止めて眠るように伝えてください。

  • 「読む」「聞く」「書く」「話す」の国語力を伸ばします。それは『言語は思考のための道具』だからです。国語力は理系でも絶対必要です。
  • 自然との触れ合いや観察から、観察力や注意力といった感覚の力を養います。
  • プログラミングや理学的な研究、工学的なモノづくりを通じて、論理的に考えたり、情報の解析をする数学的な力を養います。
  • 研究したことや作ったモノを文章・表・図形・画像・動画を用いて人に伝える力を身につけます。

 こども技研は子どもたちに学び方を学ぶ場所を提供します。
 たくさん失敗して、どうすれば失敗しないようになるのかを学んでほしいのです。『失敗とは成功しない方法を発見すること』なのです。

 こども技研の大人はそのジャンルの実務経験者のみです。自分の力で作業し、そして失敗することの大切さを知っています。

 ものをつくるということは、『失敗を繰り返して過ちを取り除き、いいものに仕上げる』ということなのです。

 「先生・先輩・上司の教え方が下手」と言うこどもや大人がいます。それはその人が学ぶことの楽しさを知らないからです。

 本当に学ぶことが好きな人は知っています。

教えられるより自分で学ぶほうが楽しい!ということを。

 世の中に出ると「正解のわからないことに最善を尽くす」ことが当たり前になります。
 世の中に出ると努力よりも結果が全てになるのです。
 その時に「誰もきちんと教えてくれない」なんて、何の言い訳になるのでしょうか。

 学問とは教えてもらうものではなく、自分で学ぶものです。受け身になるなんてなんてもったいない!

 学問とは苦痛を伴いながら覚えることでなく、自ら観察し、推測し、試して、確かめることを楽しむものではないでしょうか。
 こども技研は、学びを楽しむことを知ってもらうきっかけの場にしたいと考えています。

研究員としての成長

 上で予習はしませんと書きましたが、先に学ぶことはガンガン経験します。ややこしいですね、スミマセン。m(__)m

 それは「ずっと先に目標を置いているから、知らなきゃならないことがたくさんある」からです。
 
 例えば、みんなでモノを作る時、「この部品が何個必要かな?一人何個ずつ作ったらいいかな?」というケースがあったとします。
 このようなケースが年長さんや小学1、2年生でおこると、将来学ぶ割り算や掛け算の先取りになります。

 手から落ちた物体が地面につく時の速度を求めるには、エネルギー保存の法則を使って二次方程式を解かなければなりませんが、小学生にでも遠慮なくその説明をします。mgh=1/2mv^2と言う物理的なことも、二乗や√という数学的なこともです。
 そうすれば、現時点で理解できなくても、身の回りの現象は、学べば理論で説明することができること(=がんばれば将来自分もできるようになること)を知ります。

 難しそうに思いますよね。
 だけど好奇心の強いこどもは小学生であっても「その二次方程式を解いてみたい」と思います。そんな子はたくさんいます。その機会を与えれられていないだけです。

 他にも、「光はまっすぐにしか進めないのに、太陽の後ろにある星が見えることがあるんだよ。それは空間が太陽の重力で曲げられているんだ。光はその曲がった空間の中をまっすぐに進んでいるだけなんだ」といった話も、目をキラキラさせて聴く小学生はたくさんいます。

 今はまだ知識が足りなくて難しいから理解できなくていいんです、興味を持つ心、チャレンジしたい気持ちそのものが素晴らしいことです。
 そうしたことが理解できなかったり、解けなかったら、自分の力が足りないと自覚できます。「できるようになりたい!」そんな気持ちが子どもが本来持っている前向きな気持ちです。

 学問は、先に座学ではなく、先に実践から学んだ方がより楽しく、より身につきます。
 これは当然なんです。本来、自然科学の学問は身の回りの環境を理解するためのものなのですから。
 
 学校の授業の予習をするように、座学としての予習をすると、後から受ける学校の授業が「もうやったからつまんない」になります。
 だけどもっと先に目標を持った実験や研究の中での先取りをした後での授業は、「あ!あのことだったんだ!」と前向きな気持ちで取り組みやすくなります。

 数学、物理、化学など生活に密接しているものは、じゃんじゃん実践で先取りします。

 こども技研で興味を先取りして、学校でしっかり学ぶ

ずっとずっと先を見て、
楽しく進む。
 自然に実力もついてくる。

 それがこども技研の研究員のスタイルです。