総合方針
教育とは、
「教えること」ではなく、
「自分の力で学ぶ・育つ環境を整えること」、
「見守り、共感し、励ますこと」
であると考えています。
育みたいのは、
好奇心
集中力
判断力
行動力
責任感
協調性
やさしさ
勇気
です。
それらは教わって身につくものではなく、自分の力で身につけていくものです。
そのために、大人は子どものための道を作るのではなく、この向こうに何があるかを伝え、子どもが自分で道を作ることを見守り支えることが必要だと考えています。
学習方針
基本方針
「得意をのばす」
「好きをのばす」
得意を伸ばさず不得意を補うことに集中すれば平均的なひとになります。
平均がそれなりに高ければ便利なひとになれるでしょう。
昭和、平成の時代は、企業が人生丸ごとの面倒を見てくれたので、特別に秀でたところがなくても、大きな欠点がなく、みんなと協調するために我慢ができればそれなりに生きることができました。
だけど現代はもうそんな時代ではありません。
自分に何ができるのか、人より少しでもできることは何なのかをしっかり把握し、自分自身で磨きをかけていかなければなりません。
得意は多い方がいいです。
10人の中で1番のことが2つあるなら、その2つ両方の視点で同時に見ると100人の中で1番に成り得ます。
では苦手は放置しておいていいのでしょうか?
小学校〜中学校半ばに関して言うと、そうではありません。
その間の学校の教科の内容は、世の中に出ても「身につけておかなければならないこと」「身につけておいた方がよいこと」ばかりです。こども技研では学校の勉強の基本も大切にします。
こども技研で身につけてほしいこと
学ぶことを楽しむ
こども技研のメインテーマは「自分で学ぶ方法を身につけること」です。
自分で学ぶことができれば、周りの環境に影響されることなく、学問を楽しむこと、続けることができます。
『わかった!』という楽しい気持ちが学問の始まりです。
やってみたい気持ちを育てる
「楽しい気持ち」からの「やってみたい」をそのまま行動に移すことができる環境が、こども技研にはあります。
「やってみたい」という気持ちを摘んでしまうと、その子ができる能力を持っていたとしても、結果的にできなくなってしまいます。
大人は、子どもたちの前向きな気持ちを大切に、どんどん進める環境を整えます。
失敗を恐れない
これからの時代に求められる人は「失敗しない人」ではなく「結果を出せる人」です。
結果を出すには挑戦する必要がありますが、日常生活の多くは「失敗しないようにする」ことに労力が向けられます。
「失敗しないため」の最善の方法は「挑戦しないこと」です。その結果が、世界に抜かされてしまった日本の状態です。
こども技研では「挑戦すること」を大切にします。
挑戦に必要なものは、失敗を恐れない勇気です。
人は失敗をするものなんだ、失敗をしてもいいんだと知る
楽しい気持ちのままにやってみると、当然最初は失敗します。
失敗するだけだと心折れてしまいますが、失敗の先に成功をつかまえることができるように、大人がサポートします。
してもいい失敗はガンガンしてもらいます。
大人の視点だと、子どもたちの失敗が予測できることはよくあります。しかし、あえて先回りして教えず、そのまま放置して失敗してもらいます。
その先に、その失敗は事前に気がついていれば防げたこと、失敗してからでもカバーできることの気づきがあります。
プロフェッショナルとは、途中に失敗があってもしっかり帳尻をあわせて、最終的に満足な仕事として仕上げることができるひとだと知ってもらいます。
失敗してもいい、ヒトは失敗をするものなんだ、だけど、成功させることを諦めなければ、途中の失敗は失敗ではなく、ただの途中経過にすぎないということを心に刻んでほしいのです。
行動力を身につける
モノづくりは結果が全てです。
90%できていても、最後まで完成していなければ、その製品はゴミです。
ちょっと想像してください。「たまにブレーキが効かなくなる自動車」なんて乗れませんよね。
モノづくりは結果が目に見えてはっきりとわかります。だから、しっかり観察し、考えることができれば、失敗の理由がわかります。
失敗をカバーするために必要なことは「行動すること」です。「頑張って行動する」なんてまだまだです。「行動しているのが当たり前」になってほしいと考えています。
「あれ?」と思ったら、即、調べる、即、考える。いつでも、どこでも。
「調べないと気持ちわるい」、「行動しないと不安」。一人前のエンジニア・研究者は、その状態が通常です。
もちろん、やらされてるんじゃなくて、楽しいんです、やりたいんです、誤解なきよう・・・
「結果に失敗はあっても、努力に失敗はない」
途中までしかできていなければ、そのモノはゴミ同然かもしれませんが、その途中までの努力は、必ずその努力の分だけの実力が身についています。モノは無駄になっても、努力は無駄になりません。
子どもたちにモノづくりの高いところに立ってみて欲しい
私たち大人・専門家と同等の知識・目線や考え方と言ったことです。そうすれば本来の子どもとしての居場所に帰った時に、とても易しく感じながら行動できます。
慢心してしまう可能性は捨てきれませんが、本当に学ぶ気持ちがある者は、自分のことを他者との相対評価ではなく、自分の理想への絶対評価で判断します。絶えず「自分なんて、まだまだ」と心の深いところで理解していますので大丈夫です。
空気を読まずに行動してほしい、だけど思いやりの気持ちを持ってほしい
自分が興味を持ったことに向かって、TPOを気にせず行動しすぎる人は「空気を読めない」と言われてしまいます。
だけど、こども技研では「空気を読む」ことを重視しません。「人が自分をどう思うのか」なんて、結局自分自身ではどうしようもない、変えることができないことのです。
だから、こども技研では、人を傷つけない範囲でマイペースを尊重します。思いやりの気持ちをもっていることができれば、空気は読まなくていい、と考えています。
知識だけのものと経験したことは、全く違うものだと知る
本を読んだだけ、人から聞いただけ、動画を見ただけで、分かった気になる人がいます。
知識を得ることは大切です。だけど何らかの媒体から得た知識というのは、他の人のフィルターで削ぎ落とされてしまったものがたくさんあります。ほとんどのことは、そんなに簡単なことではありません。
だから直接体験してほしいのです。こども技研が実践重視なのはそのためです。
知識を得て、一旦知識を忘れて経験してほしい。
頭を使ったら、次は目や手で感じてほしい。感じたことから考えてほしい。
つまり、学問をし、その学んだ学問を一旦忘れて経験してほしいのです。
そうすれば、その体験から、その体験に裏付けられた学んだ知識が浮かび上がってきます。
学問は知っただけではダメで、経験に裏付けられて、初めてその人の血や肉になると考えています。
直接の体験・経験は、他の人というフィルターを通しません。
自分自身の五感を持って、細かなことまで見てほしい、感じてほしいと思います。
他の人と自分は違います。
一つの事実からでも、人によって得るものは違います。
自分自身がとらえたものを真実というなら、他の人とは真実が異なるかもしれないのです。
学び、体験し、学んだことと経験をあわせて、自分の中で消化し、本当の自分のものにしてほしいと思います。
自分でできること、できないことを知る
努力してもできないことは、どんな人にもあります。
できること、できないことをしっかり自分で見極め、認めることは、勉強以外でも人生において大切なことです。
だけど、そこで気がついて欲しいことは、『今の自分ではできない』だけということです。
まだまだこれからの子どもたちには、可能性しかありません。
『今はできないけど、できるようになりたい』
この前向きな気持ちを大切にして欲しいのです。
そのために、まず自分ができないことに前向きに向き合うことができるようになってもらいます。
キビシイ話を書きます。
いつか「どれだけ努力をしても越えられない壁」が誰もにでてきます。
自分とは圧倒的に能力が違う他者に出逢うこともあります。
自分の限界を知る時です。
その時が自分の本当の限界であるために「努力する能力」を、限界と感じても心折れないために「確固たる自分の心の居場所」をそれまでに築いてほしいと思います。
人を頼っていいんだ!と気がつく
ミッションは自分だけで達成しなくていいのです。周りに聞いたり、助けてもらってもいいのです。
みんなで行う他者との共同作業の中で、「自分だけで背負わなくていい」「人に任せてもいい」「人を頼っていい」ことを知って欲しいのです。
みんなで行動すると「全部は自分の思い通りにならない」事も知ります。
だけど「頼りあって何かをすることは楽しい!」「頼り合える人がいるって素敵なことだ!」ということにも気がついて欲しいのです。
人に頼られることの安心感に気が付く
先ほどの反対です。
周りから助けを求められる、頼りにされる人になってほしいのです。
そのためには、人柄と能力のどちらもが必要です。
信頼し信頼される仲間がいる場所は、自分が帰る場所の一つにもなります。
こども技研のファイナルミッション「幸せな人生を送ること」の一つの答えは、「心地良い自分の居場所があること」に思えてならないのです。
自分に対して真剣に向き合ってくれるひとがいることを知る
こども技研では、子どもたちをできるだけ大人扱いします。子どもを「研究員」と呼ぶのもその一環です。
こども技研のスタッフにとって、研究員を大人扱いするというのは、「会社員時代に新入社員と接したのと同義」です。
あまやかさず、厳しさを持ち、だけどできないことは無理をさせず、成長の最近接領域を意識して、未来の成長を考えます。
そうした中で「家族以外にも自分のことを真剣に考えてくれるひとっているんだ」と感じてほしいのです。
本当は学校の先生がその立場に相応しいのです。だけど現代の学校の先生はこどもに向き合う以外のことで忙しすぎます、また先生一人あたりの子供の数も多すぎます。
だからこども技研の大人がその一人になれればと思います。
こども技研が帰る場所の一つになれればと思います。